【VOZ.129】ハラスメントとは⑤ ~マタニティーハラスメント~

ハラスメントの最終回は、「マタニティーハラスメント」です。前号までのパワーハラスメント、セクシャルハラスメントに続く職場で起こりうる3大ハラスメントの1つです。
男女雇用機会均等法と育児介護休業法の改正により、新たに組織に課せられるようになった経緯があります。

マタニティーハラスメントは、マタハラともいわれる「妊娠・出産等に関するハラスメント」のことです。「職場」において行なわれる上司や同僚からの言動(妊娠または出産したこと、育児休業等の利用に関する言動)により、妊娠または出産した「女性労働者」や育児休業などを申出・取得した「男女労働者」等の就業環境が害されることをいいます。育児や介護に関する諸制度については、男性労働者も取得可能です。男性労働者の育児短時間制度や介護休業制度の利用を妨げる言動等を行った場合には、マタニティーハラスメントに該当する可能性があります。

妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いについては、「男女雇用機会均等法 第9条第3項」に、育児休業の申出・取得等を理由とする不利益取扱いについては、「育児・介護休業法 第10条」に示されています。

では、具体的に職場においてどのような点について気をつければいいのでしょうか。制度利用の妨げは1回でもアウトですが、以下に主に注意すべき言動例を記します。

【妊娠・出産・育児に伴う不当な扱いや嫌がらせの例】
・「産休・育休は認めない」
・妊娠を伝えたら「次の更新はしない」、「他の人を雇うから早めに辞めてもらうしかない」
・正社員なのに妊娠したら「パートになれ」
・育児短時間勤務に対して「あなたが早く帰るから周りは迷惑している」、など

【制度利用に対する嫌がらせの例】
・「育休を取得するなら辞めてもらう」
・「自分だけ定時に帰ることにより迷惑をかけていることを知らないのか」
・「あなたばかりが優遇されている」、など

【状態への嫌がらせの例】
・「つわりぐらいで会社を休むな」
・「子供が熱を出したくらいで遅刻するな」
・「あなたが妊娠したせいで、他の人の仕事が増えた」
・「入社したばかりなのに、もう産休・育休を取ろうとするのか」、など

以上が主な例ですが、職場内でお互いが気をつけて働き続けやすい環境にすることが求められています。皆さんの職場はいかがでしょうか?

<2022年11月>
※今年も残り2カ月になりました。