【VOZ.115】コロナ禍下の見直し④ ~保有スキルの抽出~

コロナ禍下での見直しの4回目は、自己資源の棚卸しの中の「保有スキル」を提案します。

ビジネスパーソンの能力とは、「スキル」と「属人的特性」とすることが多いです。スキルとは、仕事の上で何かを達成するための具体的な行動や技術です。属人的特性とは、仕事をする上で、その達成を促進する人格上の優れた特徴や価値観とされます。スキルは何がどれくらいできるかということになり、属人的特性は性格上のパーソナリティに起因しているものです。属人的特性は、一定年齢に達すれば人格形成できている前提に立つので、能力開発は、スキルに着目します。つまり、スキルアップとは、できるという数を増やすこととできるというレベルを上げることです。

では、皆さんには保有されているスキルはどのくらいありますか?キャリアアップ研修などでは、スキルの洗い出しをすることが多いですが、自身にどのくらいのスキルがあるか、考える機会はなかなかないと思います。

スキルというと、米国の経営学者ロバート.L.カッツ氏の「カッツ・モデル」があげられます。カッツ曲線ともいわれ、トップ(上層部)・ミドル(中間層)・ロアー(現場第一線)の階層別に求められるスキルが異なるという考え方です。スキルは大きく3種類あり、

1つ目は、業務直結の「テクニカルスキル」(業務遂行能力)
2つ目は、人間関係を良好に保つ「ヒューマンスキル」(対人関係能力)
3つ目は、複雑なものごとを体系的に捉えて概念化する「コンセプチュアルスキル」(概念化能力)
です。

1つ目の「テクニカルスキル」はロアー層(現場第一線)に多く求められ、3つ目の「コンセプチュアルスキル」はトップ層(上層部)に多く求められ、2つ目の「ヒューマンスキル」は階層に関係なく常に求められるとされる考え方です。

ちなみに、弊社では、「ヒューマンスキル」が土台になり、その上に「テクニカルスキル」、「コンセプチュアルスキル」を積み上げていく考え方をしています。「コンセプチュアルスキル」は、マネジメントするスキルと意思決定に必要なスキルとしています。

上記の考え方を参考にして、自身の認識するスキルを書き出してみることが有効です。付箋1枚に一つのスキルを書き出してみてください。仕事をする上で有効なスキルを思い出すままに書き出し、何枚書けるかです。

次号では、書き出したスキルの棚卸しについて触れます。

<2021年9月 shiba>