【VOZ.137】組織の心理的安全性とは ~「ワイガヤ」のできる組織~
「組織の心理的安全性」という言葉を耳にするようになってきました。
組織の心理的安全性とは、「心理的安全性が高まるとチームとしての成果が出やすくなる」という考えです。組織やチーム内のメンバーが自然体の自分でいられる環境があるかということです。Google社が2012~2015年までの4年間に行った生産性向上のためのプロジェクト「プロジェクトアリストテレス」の結果から、組織やチームの生産性向上には心理的安全性が重要であるということを発表して注目を集めるようになりました。
専門的になりますが、心理的安全性とは、「psychological safety(サイコロジカル・セーフティ)」という心理学用語を日本語に翻訳した言葉です。誰もが安心して発言や行動ができる職場環境を指します。1999年、組織行動学の研究者である、米国・ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授によって提唱されていました。
これまでに私が担当させていただいている企業や店舗を見ても、心理的安全性が高いと感じる組織やチームがあります。その特長としては、メンバーが前向きに意欲的に仕事に向き合えていることが多く、結果的にその成果も高い印象を受けます。私の認識では、その組織やチームに共通する点は、「ワイガヤ」です。仕事や業務そのものはもちろんのこと、会議やプロジェクト、何気ない日常の会話においても、年齢、社歴、役職、性別にかかわらず、誰もが常にワイワイ、ガヤガヤと気兼ねなく気楽に発言できる風土があるということです。そして、この風土づくりは上層部から働きかけてつくられているということです。
組織やチームの心理的安全性を高めるためにはいつくかの視点が提案されていますが、要は組織やチーム内でメンバーが何でもいいやすい雰囲気や環境があるということが大きいと考えます。
日本のビジネス社会では、「風通しの良い職場づくり」という表現はよく使われて来ました。この風通しの良いというのは、組織やチーム内で上下を問わずコミュニケーションがとれているかということであり、つまりメンバー間でお互いが尊重し合い、円滑なコミュニケーションがとれるようになっているかということだと思います。例えば、部下が上司の顔色をうかがわなくても気軽に相談できたり、社員だからとかアルバイトだからということもなく、部門や担当業務を超えてもおうかがいを立てなくても物申せることができるのが理想ですが、現実にはなかなかそうはいかないことが多いと思います。
皆さんの企業や組織では、「ワイガヤ」できていますでしょうか?
<2023年7月shiba>
※2023年も折り返し残り後半になりました。