【VOZ.121】新たな監督のあり方? ~BIGBOSSのゆくえ~

日本のプロ野球では、新たなシーズンに向けBIGBOSSの報道が賑わせています。これまでの監督のスタイルとは違う、言い換えれば、型破りの監督のあり方や言動・行動が注目されているようです。

一方、高校野球の話題になりますが、先月の新聞に監督が選手にサインを出さない「ノーサイン」で昨夏の甲子園に出場した監督の記事を見ました。これまでは、高校球児は監督の指示によるサイン通りに忠実に対応することが当たり前であり、監督は采配により結果である勝利に導き、名監督と呼ばれてきました。しかし、この監督は、「試合の勝ち負けの問題ではなく、サインで選手を縛るというやり方が問題」とのこと。学校教育では、運動やスポーツを通じて人を育てるとされてきましたが、今まで単なる指示待ち人間をつくり出してきただけではないか。これからは、「野球型人間ではなく、求められるのはサッカー型、ラクビー型の人材である。」その思いから「ノーサイン」にしたと。数年前の記憶ですが、「コーチング」の手法を取り入れて、試合中の重要な場面での判断は監督の意向ではなく、選手に聴き、その選手の意向を尊重し承認する、という監督の話もありましたが、「ノーサイン」の監督は、全てを選手の意思と判断に委ねるという手法に切り替えたと。つまり私たちの領域でいうと、監督のマネジメントの仕方を大きく変えたということになります。高校野球の世界でも、監督の采配やあり方が見直され、時代の変化と共に変わりつつあることを感じました。

教える側と教えられる側、指導する側と指導される側、上司と部下、先生と生徒、経営者と従業員など、今後の関係性はどうなり、どう求められていくのでしょうか。結論は、どのような監督のあり方でどのような関係性が成果を出しやすくするのか、ということになるのでしょうか。また、そもそも目指す成果とは何かという視点も改めて問われ始めています。

BIGBOSSは、単に見せかけのパフォーマンスではなく、今後のチームや組織の監督のあり方を示唆していくのかも知れません。今後のゆくえを注目していきたいと思います。

<2022年3月shiba>