【VOZ.133】2024年新卒採用広報活動解禁 ~興味のあるデータより~

今月1日から2024年新卒採用者の広報活動が解禁されました。
この時期、各方面から様々な統計データや調査結果が報告されます。その中で、あるデータを4つ紹介します。

1.企業イメージは22年連続でトヨタ自動車(日本経済新聞・日経広告研究所「日経企業イメージ調査」より)
35年間継続的に行われている調査結果でビジネスパーソンが評価する企業イメージのトップは、今年も22年連続でトヨタ自動車でした。しかも、一般個人部門でも昨年に続き1位でした。時代環境に伴い企業の順位は入れ替わるものですが、22年連続で首位は驚異的です。選考の視点は、「企業認知度」「広告接触度」「株購入意向」「ESG関連イメージ」「製品・サービスの質」の5項目です。ちなみに各項目の1位は以下の通りです。

企業認知度…「モスフードサービス」(前回9位)、一般個人「日本マクドナルド」(前回2位)
広告接触度…「サントリー」(前回3位)、一般個人「キリンビール」(前回3位)
株購入意向…「任天堂」(前回6位)、一般個人「任天堂」(前回3位)
ESG関連イメージ…「トヨタ自動車」(前回1位)
製品・サービスの質…「伊勢丹」(前回4位)、一般個人「伊勢丹」(前回1位)

近年では、企業の社会的存意義(パーパス)から企業の経営姿勢やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みやESG(環境・社会・企業統治)投資などから、社会的にどんな良いことを行っているのかという視点が世界的な動きにもなっていますが、関心を示す学生も多くなっているようです。

2.入社してやってみたい仕事は「人の役に立てる」が4割弱(マイナビ「2023年卒学生就職モニター調査」より)
2023年卒業予定の学生は、入社してやってみたい仕事は、「人の役に立てる仕事」が39.1%で、次いで「仕事の内容より周りの人間関係や職場環境の良い所で働きたい」30.2%、「自分が何かを達成したと感じられる仕事がしたい」29.5%、「社会貢献できるできるような仕事がしたい」27.0%と続き、個人の充実思考が高くなっています。しかし一方では、企業を選択するポイントでは、「安定している会社」が4割超という結果もあり過去3年で大きく増加しています。

3.今の会社で働き続けるのは5年以内が4割超(マイナビ転職「2022年新入社員意識調査」より)
2023年卒の大学生の内定率は、コロナ前の2020年の上回る85%を超えているという結果です。その一方では、「質・量ともに満足している」企業は3割弱、新入社員の42.1%が「5年以内の退職・転職を考えている」という結果もあります。

4.企業が求める資質は「主体性」が8割(日本経済団体連合会「採用と大学改革への期待に関するアンケート」より)
2021年度の経団連調査では、企業が学生に求める資質は「主体性」が84.0%と上位を占めています。次いで「チームワーク・リーダーシップ・協調性」が76.9%になっています。他の様々な調査では、よく「コミュニケーション力」が上位を占めますが、今やコミュニケーション力は当たり前ということも考えられます。

以上が、興味のあるデータとなります。新卒採用は募集する側の企業の意向と応募する側の学生の希望とのマッチングと言われますが、企業側も学生側も双方の価値観がここ数年の環境変化に伴い変わってきているようです。

<2023年3月shiba>