NEW!【VOZ.163】昇格試験の必要性 ~昇格条件と昇格試験のパターン~
前号では昇格時研修の重要性について触れましたが、そもそも企業・組織内で昇格試験は必要なのでしょうか?
その答えは必要と考えます。昇格試験は、昇格時や役職者への昇進時等に行われる選定や選抜の判定をするための一つの指標となるものです。企業規模の大小による社員数にもよりますが、弊社では昇格試験の実施を推奨しています。それは何らかの昇格の有無の判定基準が必要になるからです。この昇格のために必要な何らかの判定基準がないと、なぜ昇格できるのか、またなぜできないのか、その理由や根拠が曖昧になります。昇格の基準や条件などが明確になれば理解・納得感が得られることになりモチベーションにも影響します。この納得性が得られることが重要です。
昇格条件や昇格試験の内容は企業・組織により様々ですが、一般的には昇格条件の中に昇格試験をパスすることが含まれます。
昇格条件は、昇格するために必要な条件であり経験年数・社内評価結果・必要な資格取得など、その企業・組織にあったものを明文化し共有化されていることが重要です。
昇格試験は、昇格する等級やグレード等、役職等に必要な知識・技術・意欲の保有状況を判定できるものが相応しいと考えます。弊社では、数社の昇格試験問題の作成を担当させていただいていますが、昇格の判定においては、1次として社内基準での判定結果、2次として昇格試験の判定結果、3次として経営層の役員面接の判定結果で最終判定されている場合が多いようです。
このうち1次選定としての社内基準での判定や3次選定といての役員面接の判定は、社内事情や好き嫌いが優先されてしまう傾向がある場合が多いですが、弊社が担当する2次選定としての昇格試験の結果は第三者的に客観的に判定できるものになります。
その昇格試験の主な内容としては、
1.一般常識と社内常識を確認するためのペーパーテスト
2.指定課題図書によるペーパーテスト
3.指定課題テーマによる個人レポート
4.マネジメントスキルを確認するためのケーススタディやインバスケット方式による演習問題
5.選抜研修実施によるプレゼンテーション・グループ討議・個人面談などの実習体験
6.選抜研修受講後の研修内容の確認テスト、等
があり、これらを必要に応じて組み合わせることが多いです。
昇格試験は昇格対象者が複数の場合に選抜のために実施することが必要と思われがちですが、たとえ昇格対象者が一人であっても昇格試験を実施しパスされた方が昇格できることが重要です。企業・組織の中で決められた昇格条件をクリアし昇格試験をパスして選ばれた方が昇格または昇進できる仕組みの徹底が大切であると考えます。
<2025年9月shiba>