【VOZ.84】新入社員の受け入れ体制 〜ビジネス人生に影響を与える意識を〜
新入社員研修シーズンも一段落しました。例年通り、新入社員を対象にした新入社員研修を担当しましたが、今年度は、新入社員を受け入れる側を対象とした研修が印象に残りました。
というのも、今年度も新入社員の採用の現場では、売手市場であり、過去数年に渡り定期採用をされて来た企業でも人材採用不足に悩まされていました。社員採用に関わらず採用難の時代背景が続いているようです。世間では、入社3年以内の平均離職率も話題になり、苦労して採用された新入社員の定着率も課題になっている企業も多いようです。しかも採用一人当たりの募集経費も年々高まっているようです。
新入社員の定着については、新入社員側本人自身の問題もありますが、新入社員を受け入れる企業側の問題も大きいです。採用方法や採用そのものの仕掛けの工夫もありますが、その大前提となる受入れ体制の整備が重要です。一日も早く会社を知り、仕事を知ってもらい、早期に一人前にというのは、永続的な課題であり、そのためには、必要な育成・評価・処遇システムが重要となります。
また、一方では、直接の日常接点が多くなる直属の先輩・上司の対応の仕方も重要となります。
かつての皆さんの新入社員時代にそうであったように、入社して初めての先輩社員や直属の上司からの影響力は知らない間に大きく受けてしまうものです。いつの間にか、会社の状況や上層部のイメージ、仕事に対する考え方や価値観までを植えつけられてしまうと言ってもいいと思います。良いことばかりではなく、先輩社員や上司の会社に対する不平や不満、何気なく発した経営層や上層部の愚痴や悪口の一言ひとことが、良くも悪くもそのまま耳にした新入社員には認識されます。そして、その一つひとつの蓄積がその新入社員の将来のビジネス人生に何らかの影響を与えてしまうということです。
新入社員を受け入れる皆さんには、研修の中でこのことを再認識していただいています。自身の新入社員時代を思い返していただき、先輩社員・上司から何かしてもらって良かったことがあれば、それを少なくともお返ししましょう。先輩社員・上司から何かこんなことをして欲しかったことがあれば、それをしてあげましょう。
新入社員に接することの多い受け入れ側の皆さんが、新社会人としてスタートした新入社員のビジネス人生に影響を与えることを意識して接して行きましょう。その中に、定着率の向上や採用方法、育成・評価・処遇などの新たなヒントやアイデアが多く見つかるはずです。
<2017年4月 shiba>