【VOZ.69】「全社員討議研修」のすすめ 〜方針の浸透のために〜

先月、ある会社の全社員研修を担当させていただきました。
約1300名の社員を階層別にクラス編成し、そのうち8クラス400名の担当でした。

この会社は、ここ数年間、合併や吸収を繰り返して来た経緯もあり、同じ会社でありながら、支社、支店、部門、プロジェクトに分かれ、領域も専門分野もバラバラ。これまでに部門間を超えた人事異動もなく、交流も殆どないため、スキルアップ研修とは別に、毎年テーマを決めて、全社員研修を実施されていました。
今年の取組みは、例年とは違う試みでした。
それは、社長から出されている重要なキーワードについてグループ討議をするというものでした。
経営方針とも連動されているキーワードを5つ提示し、そのキーワードの中から討議したいキーワードを参加者が選択し、同じキーワードを選んだメンバー同士でグループ編成。そのグループ単位で情報交換・意見交換をするという研修です。講師の役割は、前提となるキーワードの知識共有と討議しやすい雰囲気づくりと全体の進行でした。

企画段階から立ち会ってきましたが、ご担当者の意向では、あくまでも討議のみ、しかも出た意見をまとめたり、提出物も作成させない、という型破りのものでした。研修の場では、意見をまとめたものを発表し、提出物は当たり前でしたので、正直、実施するまではかなりの不安材料もありました。
しかし、実際に実施してみての感想は、討議に集中できたことにより、大きな効果があったと思われます。
「職場状況・業務状況の共有」

「新たな人的ネットワークづくり」

「業務の中での連携強化」

「組織としての相乗効果」の流れができたことです。

毎年、経営方針は出されていますが、それについて枠を超えての横レベルでの共有の場は殆ど持てていなかったのが現状です。今回の研修で、経営方針と連動されているキーワードについて、同階層での共有化により様々な相乗効果が期待できることです。参加者の方々にも確実に感じていただけたはずです。

経営方針の伝達・徹底は、通常ですと書面、ミーティング、方針発表会など、上から下への1Wayの一方通行になりがちですが、この会社のように研修の場を活用することにより、横同士、下から上・上から下への2wayの双方向の状況をつくりやすくなり、やり取りができます。そして、このやり取りによって、理解していただきたい経営方針の伝達・徹底ができ、浸透しやすくなると思われます。

是非、貴社でも「全社員討議研修」の場を設けてみてはいかがでしょうか?

<2014年8月 shiba>

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です