【VOZ.60】笛吹けども踊らず? 〜ある社長講話より〜

先月、ある会社の新任課長職研修を担当しました。
その研修の冒頭に受講者である新任課長に対して社長からの講話がありました。
その主な内容とは、
最新の会社の経営状況とこれまでの会社の経緯、新たに策定された目指す会社のビジョン、具体的な社長方針と年度経営計画、新任課長の皆さんに期待すること、
一時間程の講話でしたが、ポイントは整理されており、数値類はグラフ化されたパワーポイントを使用してとてもわかりやすく説明されました。社長の思いもよく伝わり、社員ではない私にもよく理解できました。

「うちの会社の状況はどうなっているのか…」「うちのトップは何を考えているのか…」「うちの会社はこれからどうなって行くのか…」〝よくわかりません〟という声は他の会社でもよく耳にします。その点では、今回の社長講話の中には、全てが網羅されていました。伝え方も一方的ではなく、時には面白おかしく、聞き手に気をつかいながら話されていることがよく伝わって来ました。仕事柄、色々な会社の社長講話を聞く機会が多いのですが、内容と構成と話し方の全てにおいて良かったのではと私は思いました。
ところが、当の聞き手である受講者の反応が今一つだったのです。
話し手の社長を見て聞く基本傾聴すらとれていない状況でした。私だったら、今回の話の内容からすれば、社長を見て、うなづいたり、自然と目が輝いてきて当然と思われたのですが、残念ながら、殆ど無反応状態。
まさに〝笛吹けども踊らず〟を感じました。
これは一体どういうことなのか?
考えられることは、社長の話す内容そのものに問題あり? 話し手の社長自身に問題あり? 聞き手の新任課長に問題あり? 社長と新任課長間の関係に問題あり?…。
とても気になったので、社長講話が終わり、社長が帰られた後で受講者に聞いてみました。
すると殆どの方が、「社長の話した内容は良かった」「会社の状況を知ることができて良かった」「直接、社長から聞くことができて良かった」と良い意見ばかりなのです。予想外でした。

では、どういうことなのか? 
結論は、単に「傾聴の仕方を知らない」ということで〝聞き下手〟なだけだったのです。これまた予想外でした。心の中では、社長の笛には十分に踊り始めていたのです。〝聞き方〟〝聴き方〟の訓練がされていなかったのです。

これには色々と考えさせられました。
傾聴姿勢の意義や大切さであったり、見た目は重要という反面で見た目だけでは判断してはいけないということを改めて痛感しました。
(早速、研修の中で傾聴手法について触れました)
皆さんの身近には、このような事はありませんでしょうか?

<2013年5月 shiba>
※VOZ.60号を迎えました。

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