NEW!【VOZ.161】共感とは? ~同感と共感の違い~
皆さんは「共感」の意味をどのように捉えていますか。
「共感する」ことは、共感的に理解をして良好な対人関係をつくる上でも重要なスキルの一つです。
最近、テレビやラジオなどのメデアで芸能人やレポーターの方々が「共感しました」「共感できます」というように「共感」という言葉をほぼ毎日のように耳にすることが多くなりました。「共感」は、辞書によると「他人の考え・主張に全くそうだと感ずること、その気持ち」と定義されています。「共感=同感」と解釈されていることが多いようです。
しかし、本来の「共感」の意味は、「共感=同感」ではないと考えます。
例えば、相手の考えや意見に代表される発言内容と自分も同じ意見や考えでよく理解できた時に「私も共感しました」「私も共感できます」と使われていることが多いですが、この場合は「共感」ではなく、同じく感じている「同感」ということになります。「共感」の正しい意味を理解されて使われることは少ないようです。
本来の「共感」とは、自分の考えや価値観は保留にした上で相手の考えや意見に「共感する」ことが大前提になります。相手の考えや意見に対して、自分の考えや意見は保留にして相手が考えていること、感じていることのそのままを共に感じることが「共感する」ということになります。発言した発信者である相手の立場や気持ちになって共に感じることが「共感」であり、相手の発言を聞いた受信者である自分の考えや気持ちが同じということを伝えることは「同感」ということになります。つまり、「あなたはそう考えたんですね」「あなたはそのように感じているんですね」に対して、「私もそう考えました」「私もそう感じました」は、相手ではなく自分主体になるので「共感する」のでなく「同感する」ということになります。「共感する」ということは、受信者である自分の考えや気持ちではなく、発信者である相手の考えや気持ちをそのまま受け止めて返すことが本来の「共感する」ことだと考えます。
この本来の意味での「共感」ができた時に、初めて発信者である相手側に自分の考えや気持ちを「本当にわかってくれた」「よく理解してもらえた」ということが伝わることになります。
<2025年7月shiba>
※2025年も後半になりました