【VOZ. 15】「手に持つ本」

シグマ28の小池です。初登場です。

マニュアル(Manual)の語源は、「手に持った本」を意味するラテン語とされています。
“Manu”という言葉は、「手」を意味するそうです。
よく「マニュアル」とひと括りで表現されますが、この「マニュアル」には実に様々なものが存在します。
1.企業理念・経営方針、行動規範をまとめた(ハウスルール)マニュアル
2.仕事の手順・処理方法をまとめた(オペレーション)マニュアル
3.ハード・ソフトウェアの使用方法・操作手順をまとめた(ユーザーズ)マニュアル
4.社員の能力開発・自己啓発を促進する教材をまとめた(テキスト)マニュアル
等が主だって挙げられる「マニュアル」類です。

ずいぶん固い話しになってしまいましたね。
私は、昔からこの「マニュアル」類が大嫌いで、手に持つどころか、読むことさえ憚っていました。
特にパソコン等のハード・ソフトウェアのユーザーズマニュアル(取扱説明書)に限っては、こんな文字の羅列ばかりで読む気にならない、何が書いてあるのかさっぱりわからないものを読んでいる時間があるなら「まず触ってみよう!」と考えてしまう性質なのです。
「めんどくさ子」と言われているだけあって、開くことさえしませんでした。
その結果、必要とされる情報入力を省いていたり、あとから何度もパスワードを求められたり・・・と、「あーっ、読んどきゃ良かったぁ?!」と大いに反省しながらマニュアルを開くはめになるのでした。

こんな「マニュアル嫌い」の私が現在「マニュアル」制作の仕事に携わっています。
信憑性がありませんね・・・。自分が「嫌い」「読まない」からこそ、「まぁ、読んでみるかっ!」と手に持ってもらえるマニュアルを作りたかったのです。
私が初めて手掛けたマニュアルは、あるレジャー業界の「オペレーション・マニュアル」です。
このお客様の会社には、印刷・製本されたカッチリした「マニュアル」が存在していました。
が、このマニュアルが「全く使われない」ただの「絵に描いた餅」状態になっていたのです。
打合せの中で「何のために、誰に向けて」作成したものなのかその目的と狙いを伺ってみると、店舗あるいは人によって作業手順がバラバラなのでそれをどうにか全社統一のものにしたい、だから人事部で総力を挙げて数ヶ月にも亘って作成したというお話でした。

マニュアルの多くは「上位部門で一方的に作られたものは、現場の実情に合わない」+「上からのお仕着せ」=「使われない」という方程式が出来上がってしまいがちです。
まさに「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」です。
ビジネスで使用されるマニュアルの役割は、「個々の社員の持つ知識やノウハウを組織として共有化する」ことにあるのです。
そう考えると実際に現場で仕事をしている人たちへのヒアリングがあってはじめて生きている情報を得ることができるのです。現場の問題は、現場に解答があるはずです。
それを踏まえた上で、個々人の持つ知識やノウハウを最大限に活かす場として、「マニュアルプロジェクト」を作り、現場担当者がマニュアル制作に携わる提案をしました。
上からのお仕着せではなく、自分たちの「手」で作ったんだ!という達成感も同時に得ることでモチベーションアップにも繋がり、現在では全社員が「手に持って」使うマニュアルとして蘇りました。

「マニュアル」は作ることが目的ではなく、作ったマニュアルをどう今後に活かしていくかです。
システムが変更になった、オペレーションが変わった・・・という場合には、新しい情報が現場には必要です。
そのためには、年1回 マニュアルを見直すという改訂作業も視野に入れることをお勧めします。

先日、自宅でシュークリームを作ってみましたが、シューが膨らまない・・・。
分量も生地のコネ方も手順もマニュアル通りなんですが、これは・・・腕の問題でしょうか?

<2008年12月 koike>